■Beer Tourism【ベルギー / アントワープ】

 
■行 程
2002/05 ノートルダム大聖堂 → 't Elfde Gebot → 王立美術館 → MUHKA現代美術館 → Bier Paradijs
2002/06 (1日目) De Groote Witte Arend → Belgium Beers → ModeNatie → De Koninck → Cafe Pelgrim → Kulminator
2002/06 (2日目) MUHKA現代美術館 → 't Pakhuis → プランタン・モレトゥス印刷博物館 → Waagstuk  Quinten Matsijs

 
■掲載箇所リスト
醸造所, 併設カフェ De Koninck / 't Pakhuis
カフェ, レストラン Kulminator / Cafe Pelgrim / De Groote Witte Arend / 't Elfde Gebot / Quinten Matsijs / Waagstuk
ビールショップ Bier Paradijs / Belgium Beers
おまけ ノートルダム大聖堂 / 王立美術館 / MUHKA現代美術館 / ModeNatie / プランタン・モレトゥス印刷博物館

 
 醸造所, 併設カフェ
Brouwerij De Koninck
Mechelsesteeenweg 291, Antwerpen
http://www.dekoninck.be

2002/06:
アントワープのローカルビールで、アントワープだけでなくオランダでも有名なビール。
トラムの15番に乗って、Boomgaardstraat で下車。駅に着くまでにすぐ前を通ります。
個人向けのブルワリーツアーはやっていないようです。
その醸造所向かいにあるカフェ「Cafe Pelgrim」で、移動の少ない新鮮な樽ビール(いわゆるブルワリータップ)を飲むことができます。


HuisBrouwerij 't Pakhuis
Vlaamse Kaai 76, Antwerpen

2002/06:
het vat(樽ビール):3
de fles(瓶ビール):?

1996年開業の新しいブルワリーレストラン。気がつかずに通り過ぎてしまいそうな入口(右写真)を入っていくと中庭に面してお店の入口があります。建物自体は古そうですが、コンクリート打ちっ放し系の改装がしてあります。
ビールを使った料理があり、料理はさすがベルギー!なのか、しゃれた盛りつけでおいしかったです。

←店内の窓際中央に窯があり、その部分は吹き抜けになっています。
→中庭からお店の入口を見たところ。夏になると中庭にテラスが出るんでしょうか。

自家製ビールは、未濾過のBlond、Bruin、Nen Bagelijke(Tripelタイプ?)の3種類。ビールカクテルもありました。

←Zalmfilet met fijne groenten  en saus van "Nen Bangelijke"(14.50ユーロ)。サーモンのNen Bangelijkeビールソース。絞り出したマッシュポテトの上に乗ったザリガニがいい(笑)。

→Lamsfilet met Fijne groenten op Brouwerwijze (15.85ユーロ)。ラム肉のブルワリー風(?)。やわらかくておいしかった。


 
 カフェ, レストラン
Bierhuis Kulminator
Vleminckveld 32, Antwerpen

2002/06:
het vat(樽ビール):9 (?)
de fles(瓶ビール):669 (?)

熟成ビール(オールドビールまたはヴィンテージビール)のストックがたくさんあることで、世界的に超有名なカフェ。
中心地から若者向けの服屋や雑貨屋が集まるあたりを歩いて行き、ちょっと静かになったあたりにひっそりとありました。
土曜の開店直後の時間に入ったので空いてました。

席につくと、近くのテーブルに座っていたおっちゃんが「オランダジン デース」と日本語で言いながらメニューを渡してくれた。こういう時ニッコリするだけでどう反応していいかわからない…。
おっちゃんがメニューの最初の方のページを指さすので見てみると、地球の歩き方に掲載されたこのカフェの紹介がコピーしてありました。たくさんの日本人が来ているんでしょうね。おっちゃんは店員さんじゃなくて常連さんのようです。
クリアファイルでできたメニューは32ページ。ビールは国ごと、タイプごとに年代も書かれズラリと並んでいます。ビールリストの他にベルギービールに関するちょっとした情報や、前述のガイドブックのコピーなどが一緒にファイルされています。せっかくこの店に来たのだから、他では飲めないようなビールを頼もう、と意気込んで頼んだのが下のビールです。

La Trappe Amber 1979

Palinckx Dubbel 1986

Oud Hoegaards Bier 1979

Witkap Pater Tripel 1981
La Trappe Amber 1979:10年ほどのあいだ、Artois Nederland がKoningshoevenと提携してつくっていた時期の珍しいビール。下面発酵のビールかな? 熟成しておいしいビールというわけではなさそう。酸味の強いリキュールみたいだった。味わいは軽い。
Palinckx Dubbel 1986:オランダのAlkmaarに昔あった醸造所のビール。「もうこのブルワリーはないのよ」と、店のおばちゃんに教えてもらう。香りはちょっとカビ臭く酸味がかなり強い。酸化してるって言うのかも…。
Oud Hoegaards Bier 1979:醸造所名が「Brouwerij CELIS」でセリスおじさんがやってた頃だ!と思い頼んでみる。Witbierを23年寝かせるとどうなっているのか…酢になっていました(笑)。おもしろい味。
Witkap Pater Tripel 1981:Brouwerij Witkap。ラベルにTrappietenbierと書いてありました!いちじくのような香りと味のある熟成ビールらしい味。
あまりにも珍しいものばかりを頼んでしまい、正直「ウマイ」というより「珍しいものを飲んだ」という感想の方が強いです。他にLiefmans Kriek 1987、Westvleteren Abt 1997も飲みました。
後日、詳しい人にうかがったところによると、私の注文したヴィンテージビールは完全に選択ミスだったようです(笑)。なんでも熟成させたらおいしくなるわけではなく、やっぱり熟成向きのタイプがあることを知りました。
トイレの行きしなに見えるストックルーム。今ではお目にかかれないような、珍しいラベルも並んでいます。

他のお客さん情報によると、地下のセラーにまだ800本のビールがあるということです。なんかもっとありそう。
800種って言いたかったのかなあ?

トラピストチーズを頼んだら、大量にでてきてビックリしました。2人で食べ切れない…。こっそりナフキンに包んで持って帰ることにしました(笑)。

メニューに、ビールの種類は669種と書いてありますがもう無くなってしまったものもあるので、669種は無いかもしれません。注文したときに「これはもう無いわ」と何回か言われました。でも新しいビールが増えているかもしれません。
年代物ビールの価格も思っていたほど高くなく、Witkap Pater Tripel 1981で3.70ユーロ、Westvleteren Abt 1997で6.00ユーロでした。人類の大切な遺産をこの価格であっさり消費していいのか!と思いますが、あまり需要がないってことかも…(笑)。とてもいい経験をしました。


Cafe Pelgrim
Boomgaardstraat 8-10, Antwerpen

2002/06:
het vat(樽ビール):3
de fles(瓶ビール):15

トラムの15番に乗って、Boomgaardstraat で下車。
駅に着く手前でDe Koninck醸造所を通りすぎる。その醸造所向かいにあるビールカフェ。醸造所には併設パブがないので、ここがブルワリータップの飲める店(アンオフィシャルですが)ということになるみたい。

とくにビール専門カフェというわけではなく、古びた洋食屋のような内装が落ち着く。おばちゃんも人がよさそう。お昼どきなのでチーズオムレツも注文→

De Koninckを注文して、「本で読んだんだけど、イーストをかけるってホント?」と聞いてみると「4人の常連(80〜90歳のおじいさん)がイーストと一緒に飲むけど、おいしいかしらねぇ」と変な顔(笑)。ベルギービール関連の本を読んで、ここのDe Koninckにはすべてイーストを入れて出していると思いこんでいたので、ちょっと拍子抜け。
マイケル本では、ビールにイーストを入れて飲むと「えも言われぬフレーヴァー」が加わると書いてあったけど、おばちゃんは「イーストをちょっと飲んで、(チェイサーのように)ビールを飲むといいわよ」と言っていました。「混ぜないの?」と聞くと「混ぜないわよ」と、素で返されました。店の人によるのかなあ。


ボールークーとイースト。
こんな感じで出てきました。

イーストは樽の底に残ってるものかな?
米ヌカのような粉状を想像してました。

混ぜてみた(笑)。
最初はおばちゃんの言う通り、イーストだけをちょっと口に含んでみました。米ヌカのようなロウソクのような香りと味。
濃いビールの素というかぬか漬けというか。で、すぐビールを飲んでみると、それが少し流されて糠ビールって感じに。おばちゃんの「おいしいかしらねぇ」の意味がわかる(笑)。健康には良さそうです。
半分くらいビールが減ったところで、ビールと混ぜてみました。色はカフェオレ。かなり濁ってイーストは沈んでいった。
飲んでみると濾過していないビールって感じで、モワッとしてウマい!イーストをそのまま飲むよりおいしかったです。

Taverne Tea-Room De Groote Witte Arend
Reynderstraat 18, Antwerpen
http://www.degrootewittearend.com

2002/06:
アントワープの中心地、Groenplaatsからスヘルデ川に向かって歩いていくとすぐ。
途中、ステファン・シュナイダーの路面店があったりもします。
表から見るとお店のフラッグがかかってるので、そこを入っていくと中庭に面してカフェがありました。ドイツみたいなつくりですね。1999年ベネルクスカフェオブザイヤー受賞の記事が貼ってありました。
料理も充実していて、「カフェレストラン」という感じ。ビールだけ頼んだらスナックがついてきました。

←このカフェオリジナルビール「Arend Kriek」
何かモロモロと浮いてます(笑)。
お母さんがミキサーでつくってくれるジュースをWitbierでわった感じの不思議な味。実際そうやってつくってるような気がする。チェリーとアップルとグレープフルーツっぽいフレーバーがある。ビアカクテル?ビールメニューの中で一番高かった(3.60 EUR)。

雰囲気の良い中庭テラス。

←このカフェの向かいにあるショップ、De Vagant 
たくさんの種類のJeneva(オランダやベルギーのジン)を売っていました。

't Elfde Gebot
Torfburg 10, Antwerpen

2002/05:
het vat(樽ビール):4
de fles(瓶ビール):?

ノートルダム大聖堂のすぐ裏手にあるカフェ。テラスに座ると大聖堂の壁を見ながら飲むことができます(笑)。店内には所狭しと聖人や聖母の木彫りの像、イコンなどが並んでいます。年代の古そうなものもあり、雰囲気の良いカフェ。ビールは特にめずらしいものが置いてあるというわけではありませんでした。


Quinten Matsijs
Moriaanstraat 17, Antwerpen

2002/06:
ベルギーで一番古くから営業を続けているカフェ(1565年〜)という歴史的なお店。
夕方に行くとお客さんがいっぱいで入れませんでした。
めずらしいビールがいろいろ飲めるというわけではなく、この歴史あるカフェでアントワープのビール「De Koninck」を飲む、というのが良さそうです。


't Waagstuk
Stadswaag 20, Antwerpen

2002/06:
het vat(樽ビール):4
de fles(瓶ビール):87

アントワープ王立アカデミーの裏手。地図を見ながら行ったのですが、少し迷いました。
1548年の建物で、元々はCoaching Inn(馬車宿?)だったようです。中心地から少し離れているせいか、あまりざわついていなくて、どこかで練習している合唱曲が聞こえてきて良い感じ。古い木の香りといい、おばあちゃんの家に来たみたいです。

アントワープのビール「De Koninck」はグラスの形を選んで注文ができ(Bolleke, Fluitje, Pint, Prinske)、こだわりを感じます。
この店オリジナルのアルコール度数高めの樽ビール「Waagstuk」は、Bios-Van Steenberge 醸造所でつくられているようです。
ヴィンテージビールもあり、メニューカードに「オールドビールもあるので店員に聞いてみて」というようなことが書いてありました。尋ねてみると、手書きのオールドビールリスト(40種ほど掲載)を持ってきてくれました。リストを見てみるとピルスナータイプもあり、ちょっと不思議な感じ。もしや売れ残りじゃ…(笑)。Lindemans Cassis1994年頃をいただきました。

http://www.prozimedia.com/web.waagstuk.htm


 
 ビールショップ
Bier Paradijs
Handschuen Markt 9, Antwerpen

2002/05:
ノートルダム大聖堂のすぐ近く。
観光客向けっぽい、ブリュッセルのBier Tempelの縮小版って感じのお店。
ビールはグラスとセットになったパッケージがたくさん並んでいて、お土産にピッタリ!だと思います。
単品では、現時点で市販されているトラピストビールはすべて置いてありました。
なぜかイタリアワインのコーナーがあって、不思議。


Belgium Beers
Reynders St. 21, Antwerpen

2002/06:
ビールカフェのDe Groote Witte Arendを出て、ブラブラしてたらたまたま発見。
ビールの種類は280種類以上とのこと。
それほど品揃えがいいわけではなさそうでしたが、特殊な安ビール、見かけなくなったラベルの売れ残りビールなども結構ありました。


 
おまけ
ノートルダム大聖堂 Onze-Lieve-Vrouwkathedraal
Handschoenmarkt, Antwerpen
http://www.topa.be

2002/05:
1352年着工。1521年にいちおう完成。でも資金が続かなくて南塔は完成しなかったとのこと。塔の高さは123メートル。ネロとパトラッシュが最期に見たルーベンスの三連祭壇画「キリストの降架」がありました。
カフェ「't Elfde Gebot」から入口まで徒歩数分。


王立美術館
    Koninklijk Museum voor Schone Kunsten Antwerpen
Leopold de Waelplaats 1-9, Antwerpen
http://www.antwerpen.be/cultuur/kmska

2002/05:
ルネッサンス以降のフランドル派絵画がメイン。大きなルーベンス部屋がありました。ベルギー出身のマグリットにちなんだと思われるシュールリアリズムの企画展もやっていました。
ブルワリーレストラン「HuisBrouwerij 't Pakhuis」から徒歩圏内。


MUHKA現代美術館 Museum van Hedendaagse Kunst Antwerpen
Leuvenstraat 32, Antwerpen
http://www.muhka.be

2002/05:
基本的に企画展のみの現代美術館らしい。Dimiti Vangrunderbeek展、Guymees and Paul de Vree「De Collectie - Een Voorstel」という企画展をやってました。
アーチストコカコーラ(MUHKAとコカコーラの協賛企画)のプレゼントをしていて、パナマレンコのコーラ缶をもらいました。

2002/06:
Fred Eerdekens「The Retina Diamond」、Lucia Romualdi「Lichtpartituren」、Guy van Bossche「White Out」、The van Bergen「Au Paradis」という企画展をやってました。
Eerdekensは雑然と古着や観葉植物が置かれているだけのように見えるけど、よくみると古着や観葉植物に当てられたライトが「Life itself is not enough (99)」とか「The closest you will get (02)」という作品タイトルの影を作り出すというものでした。

ブルワリーレストラン「HuisBrouwerij 't Pakhuis」から徒歩圏内。


モードナシー ModeNatie
Nationalestraat 28, Antwerpen

2002/06:
フランダース・ファッション・インスティテュート(FFI)、モードミュージアム(MoMu)、アントワープ王立アカデミーファッション科からなるファンションセンター。6月現在、書店「COPYRIGHT」とカフェだけがオープンしていました。
アントワープ王立アカデミーファッション科のショーを見に行ったこの日、学生の作品展示をしていると聞いてモードナシーを訪れたのですが、ファッション科の卒業式(?)と、プレスへのお披露目(?)パーティーをしていて、中には入れませんでした。http://www.show2002antwerp.org/


プランタン・モレトゥス印刷博物館
    Museum Plantin-Moretus / Stedelijk Prentenkabinet
Vrijdagmarkt 22, Antwerpen
http://www.antwerpen.be/cultuur/museum_plantinmoretus

2002/06:
古い印刷機や活字、古地図などを展示。順路がうまく設定してあって見やすく、広く感じる。ルーベンスの銅版画部屋もありました。
カフェ「Quinten Matsijs」の近く。


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