ドイツのビール
ドイツビールは世界的に有名ですが、ビール専門店を除けばオランダにはいってくるドイツビールはスーパーの輸出用安売りピルスナーかヴァイツェン(小麦ビール)が多いようです。
歴史的背景のある感情なのか、ビールに限らずドイツ製品はあまりオランダでたくさん流通してないようです。

全世界の約40%(約1200ヶ所)を占めるブルワリーがドイツにあるそうです。
ドイツビールのスタイルは、昔の領国/地方自治体が州になってる(?)からか、州ごとに違うことが多いです。昔は貴族や王族、領主がビール醸造権を持っていて、王立醸造所から発展し、その後他の醸造所に権利を与えたそうです。
ベルギー同様、修道院で修道士の「飲むパン」としてのビール醸造も行われてきて、修道院ビールのライセンス生産を古くから行っている古い醸造所もあるようです。

ドイツのビールはその地方だけで消費するその地方のスタイルが多かったのですが、1970年代以降、その地方のビールスタイルにこだわらないビール、マイクロブルワリーができはじめたようです。いずれにせよ、大手醸造所のビール以外はその土地に行かないと飲めないことが多いので、電車に乗ってビールを飲みにでかけました。


シュレスビヒ=ホルシュタイン州(ハンブルグ含む)
SCHLESWIG-HOLSTEIN (INCLUDING HAMBURG)
貿易港で有名なハンブルク。輸出用のラガービール(エキスポート、ピルスナータイプ)をつくる
醸造所が栄えてきたようです。有名なところでは、ハンブルクのホルステン(Holsten)。他に、イェーバー(JEVER)など。
ニーダーザクセン州(ブレーメン含む)
NIEDERSACHSEN (INCLUDING BREMEN)
ハンブルク同様、重要な貿易港として栄えてきたようです。北の方では、ブレーメンのベックス(Beck's)、南の方には、ボックビールの故郷といわれるヘッセン州近くのアインベッカー(Einbecker)が有名。
ノルトライン=ヴェストファーレン州1
NORDRHEIN-WESTFALEN
オランダに隣接しているこの州の北部には、ビールで有名な街があります。
ドルトムントでつくられていた「アルコール度数が少し高めの淡色ラガー」は、世界的に「ドルトムンダースタイル」と呼ぶようになっているようです。ドルトムントの醸造所は、統廃合が激しいようで、ちょっとよくわからないところがありました。
ミュンスターは小さな街ですが、ピンクス・ミュラー(Pinkus Mueller)という醸造所があります。

ノルトライン=ヴェストファーレン州2
南部のライン河流域には、これまたビールが有名な街があります。
デュッセルドルフには、アルトビール(銅褐色の上面発酵)があります。ブラウハウス(自家醸造のビールを出す店)が、街中(旧市街)に多く、250ml のグラスでワンコ飲み(続けて何杯も飲む)スタイル。
ケルンには、ケルシュ(淡色の上面発酵)。ケルンにある醸造所でつくったものしか「ケルシュ」と呼んではいけない、という協定があるようなことを聞きました。200ml のグラスでワンコ飲み(続けて何杯も飲む)スタイル。デュッセルドルフ同様、自家醸造ビールを出す店が多くあります。

ラインラント=ファルツ州、ザールラント州
RHEINLAND-PFALZ, SAARLAND
フランスにも近く、ワインづくりのためのブドウが収穫できるので、もともとワインの生産が盛んだったようです。昔ながらのビールのスタイルを持っていなかったので、ピルスナータイプをつくる醸造所が多いようです。ホップの栽培やドイツで最初にピルスタイプをつくったという、ビットブルガー(Bitburger)が有名。
ヘッセン州
HESSEN
フランクフルトでは古くからリンゴ酒(りんごからつくるサイダー)が飲まれていて、これといったビールのスタイルは無いようです。大手醸造会社のビンディング(Binding)はフランクフルトを拠点としています。
バーデン=ビュルテンベルク州
BADEN-WUERTTEMBERG
もともとワインづくりのほうが盛んな土地柄のようです。
バイエルン州
BAYERN
バイエルンはビール王国として有名。500ml か1リットルのビールジョッキでガブガブ飲み、オクトバーフェストというビール祭りがあり、ハラタウホップの産地でもあり…「ドイツビール」と聞いてイメージするのは「南バイエルンのミュンヘン」のイメージが一般的かもしれません。
ミュンヘンの北にあるフライジンクには、世界最古のビール醸造所といわれるヴァイヘンシュテファン(Weihenstephan)があります。
北バイエルンにあるバンベルクは、ラウヒビールという麦芽を燻製した独特のビールがありますし、麦芽の工場でも有名です。
ブランデンブルク州(ベルリン含む)
BRANDENBURG (INCLUDING BERLIN), MECKLENBURG-VORPOMMEN
ベルリンには、アルコール度数が低く酸味の強いベルリナーヴァイセというビールがあります。戦争や東西分断・統一の影響か、昔ながらのブラウハウスほとんど無いようです。ベルリンでは、新世代ブルーパブを何軒か見つけることができました。
チューリンゲン州、ザクセン州、ザクセン=アンハルト州
THUERINGEN, SACHSEN, SACHSEN-ANHALT
統一以前の東ドイツにあたる州。古い醸造所はほとんど閉鎖されていたり、西側の大会社に買収されたようです。しかし、統一後再開したところや新世代ブルーパブもできはじめているようです。

■旅行先で飲むビール
旅行に行ったときにその土地で飲んだビールのことも、各国ページに入れこんでます。
オランダでも飲めるものと、その土地でしか飲めないであろうものも混在してますが、オランダ以外で手に入れたものにはなるべく○○で購入、とか書くようにします。

各ビールに付けている情報について